脳腫瘍の有無を30分で診断する新技術


脳腫瘍は米国におけるがん死亡の主要原因の一つです。従来の方法では癌を診断するのに2、3日かかりますが、研究者が開発した新しい技術を用いれば、たったの30分で診断することができます。

脳腫瘍は、脳や脊髄中心管(central spine canal)内にある一つ以上のがん性腫瘍(cancerous tumor)として定義されています。がんは年齢に関係なく発生しますが、加齢とともにその発生リスクが高まります。

イギリスの Central Lancashire 大学の研究員が開発した新技術では、脳腫瘍患者の診断が『変換(transform)』されるため、入院期間の延長と侵襲的検査(invasive test)の必要性がなくなります。

赤外線照射とタンパク質バイオマーカーのコンビネーションにより、原発性脳腫瘍のマーカーであるグリオーマ血清(glioma serum)を検査することが可能になりました。

血清に赤外線を直接照射すると、分子振動(molecular vibration)の検出が可能になるので、これをもとにグリオーマががん性なのかどうかを判断することができます。

この検査の所要時間は30分ほどです。

Lancashire大学医学部教授のMatthew Bakerは、この研究が早期脳腫瘍の非侵襲的検出法をもたらすと考えています。また、彼はこの検出技術が医学的意思決定をサポートし、医療従事者を支援して患者の予後を改善させると述べています。

「この研究で得られた研究成果は非常に大きく、診断の客観的尺度(objective measure)を提供することにより臨床環境( clinical environment )に大変革をもたらすものです。医療サービスに対する経済的インパクトも相当なものになるでしょう。診察待ちに伴う患者の感情的ストレスを和らげる上でも大きく貢献するはずです。」