皮膚線維腫

皮膚線維腫dermatofibromaまたは組織球腫histiocytoma

 〔同義語〕subepidermal nodular sclerosis, sclerosing hemangioma

 〔症状〕

 直径数mmから2cmぐらいまでの,半球状に隆起した硬い小結節ないしは皮内硬結で,表面は正常皮膚色~黒褐色,四肢に好発し,単ないし多発.黒褐色調強く,隆起が少なく,硬いものは組織学的に線維成分か多く〔旧くは硬性線維腫fibromadurum〕,正常皮膚色から帯紅色調で半球状に隆起し,やや軟らかいものは組織学的に細胞成分が多い[いわゆる組織球腫histiocytoma].

 〔組織所見〕

 1) cellular type : 真皮より皮下にかけ,明るい原形質を有する組織球様細胞〔しばしば脂肪・ヘモジデリンを貪食〕が密に増殖.ときに多核巨細胞.

 2) fibrous type : 真皮全層に膠原線維の交叉する増殖と線維芽細胞の増殖.線維はいわゆる花むしろ状(storiform, mat-like)に,ときに中心(hub)から放射状(cartwheel-like)に走る.両型とも血管の増生の強いことがある(sclerosing hemangioma).また上部の表皮は基底細胞腫様増殖(pseudobasaliomatous hyperplasia)を示すことが多い.