異型線維黄色腫

異型線維黄色腫atypica囗ibroxanthoma〔Helwig 1963〕へ

　悪性度は低いが，悪性線維性組織球腫の表在型ともいうべきもの．高年者の日光曝露部［頭頚とくに鼻・頬・耳］か，若年者の四肢一体幹に生ずる直径２ｃｍまでの結節で，しばしば自潰する．慢性放射線皮膚炎上に生ずることもある．組織学的に下方への浸潤は少なく，多型性の核を有するbizarreな細胞が増殖．

０６．悪性線維性組織球腫malignant fibrous histiocytoma 〔Ozzello 1963〕[MFH〕

　［同義語］fibroxanthosarcoma〔Kempson-Kyriakos 1980〕

　［疫学］この群の悪性型の中で最も頻度が高く，旧来の脂肪肉腫・線維肉腫・横紋筋肉腫の報告の中にはこれに属させるべきものも少なくない．　，

　〔誘因〕不明なるも，放射線照射後数～10数年で発することがある.

　〔組織学的分類〕〔Enzinger 1983〕

　①花むしろ状多形型storiform-pleomorphic〔最も多い，紡錘形細胞が花むしろ状に配列，核分裂像, bizarreな細胞，多核巨細胞，少数の泡沫細胞・炎症細胞］，②粘液型myxoid［1/2以上が粘液腫様で花むしろ構造が不明瞭，血管網が目立つ］，③巨細胞型giant cell 〔巨細胞・破骨細胞様巨細胞あり，骨組織のみられることあり〕，④炎症型inflammatory〔― retroperitoneal xanthogranuloma (Oberling亅935),黄色腫細胞・炎症細胞，後腹膜腔に多い〕，⑤血管腫型angiomatoid〔若年者，貧血・発熱・体重減少あり，四肢の皮下に生じ徐々に進行，出血して嚢腫状となり，炎症細胞が取巻く］.

　〔臨床像〕集簇する結節で，上記分類により多少異なる．