Xiaflex:ぺイロニー症(勃起時の陰茎湾曲症)の初のFDA承認薬


ぺイロニー病( Peyronie’s disease)として知られる厄介な陰茎の湾曲症(curvature of the penis)を呈する男性を対象とした治療薬『Xiaflex(ヒストリチクム菌コラゲナーゼ[collagenase clostridium histolyticum])』がFDA承認薬になりました。

膀胱湾曲症では陰茎内にプラーク(しこり[lump])が存在し、勃起時に最低30度以上の湾曲をもたらします。Xiaflexはこの疾患に対するFDA承認初の非外科的治療オプションです。

ぺイロニー病は、陰茎皮膚下に形成される瘢痕組織(scar tissue)により生じます。この瘢痕組織は勃起時の異常な傾きをもたらし、性交時に厄介な症状などを生じさせます。

「今日の承認により、ぺイロニー病の男性に利用できる治療オプションが拡大し、医師との相談により最適な治療法を選べるようになります」とFDA薬剤センターのAudrey Gassmanは述べています。

Xiaflexは、有機体(living organism)のタンパク質からつくられた生物学的製剤(biologic medicine)です。2010年にデュピュイトラン拘縮(Dupuytren’s contracture)の治療薬として初めてFDA承認されました。デュピュイトラン拘縮は手の進行性疾患(progressive hand disease)であり、指を広げたりうまく動かしたりする能力に影響を及ぼします。Xiaflexは湾曲形成をもたらすコラーゲン(結合組織の構造タンパク質[structural protein in connective tissue])の蓄積物を取り除いてぺイロニー病を治すと考えられています。

ぺイロニー病の治療コースは最大4つの治療サイクルから成り、各治療サイクルではXiaflex投与(陰茎のコラーゲン含有部分に直接注射)を2回行い、医療従事者が陰茎モデリングを1回行います。

ぺイロニー病の治療におけるXiaflexの安全性と有効性は、832名の患者を対象とした2件の無作為二重盲検プラセボ対照試験で調査されました。被験者にXiaflexまたはプラセボの4つの治療サイクルを割り当て、52週間追跡したところ、Xiaflex投与群ではプラセボ群と比較して陰茎の湾曲度が有意に低下しました。

ぺイロニー病の治療で処方する場合、XiaflexはREMS(Risk Evaluation and Mitigation Strategy)下の制限プログラムを通してのみ利用可能です。なぜなら、陰茎折症(penile fracture;corporal ruptureとしても知られる。陰茎幹[penile shaft]内の断裂)や他の深刻な陰茎損傷などの重度副作用を引き起こすリスクがあるからです。Xiaflex投与は男性の泌尿器疾患治療で豊富な経験をもつ医師が行う必要があります。

ぺイロニー病に対するXiaflex使用関連の一般的な副作用は、陰茎部の血腫(hematoma)、腫れ、痛みなどです。

Xiaflexは Auxilium Pharmaceuticals社により販売されます。男の悩みを改善する大型新薬になるか、今後の活躍に期待です。