骨を強くする薬

 

 

骨粗鬆症を治す薬は七種類ある。これらの薬は、量剤より併用で処方されることが多く、処方によって有効性が確認されれば、さらに長期間継続して服用することになる。カルシウム剤以外は、医療機関で骨粗鬆症と診断された場合にのみ用いられる。それぞれの薬について説明していこう。

 

 カルシウム剤

 

 不足ぎみのカルシウム摂取量を薬で補うものであり、日本ではもっとも古くからその効果について研究されてきた。薬局で買いもとめることのできるカルシウム剤を、カルシウム量として平均一〇・七年間服用していた女性二九人の腰椎骨密度を計測したことがあるが一般の同年代女性にくらべて服用者の骨密度は高かった。またカルシウム剤である炭酸カルシウムを、カルシウム量として一目六〇二㎎服用していた女性四二人は、年間に平均二・一垢も腰椎骨密度が上昇し、服用していなかった人は一年間に〇・二%低下したのとくらべて、いちじるしい差をしめした。このようにカルシウム剤のみを服用しても骨量増加に有効であったが、他の骨粗鬆症治療薬と併用すると、さらに有用性が高くなる。また、骨粗鬚症治療薬の中で唯一、一般の薬局でも買えるカルシウム剤には、降圧作用など他の生活習慣病予防効果もみとめられているので、副作用が少なく応用範囲の広い薬といえよう。