状況に応じたサヨナラの英語表現について
さよならの英語表現は、ひじょうにドラマチックな場合もあるが、だいたいが日常的に使われるものである。友人、会社の同僚といった毎日顔を合わせている人に対しても使うから、きようさよならしてまたあした会うといった状況が多い。そのようなとき、日本語では「またあした」であり、英語でも、
See you tomorrow. と言う。 卜
来週会うことになっていれば、
See you next week.
来月であれば、
See you next month.
と言えばよいのであるからきわめて単純である。
こうした「さよなら」の表現に対しては、基本的には相手の言ったことをくり返せばよいのである。
A: See you tomorrow.
B: O.K. See you tomorrow.
といった感じでOKである。
ただし、相手が次の会議でこちらに会えると思って、
See you at the next meeting.
と言ったが、その会議に出る予定が当方にない時には、
O.K. see you then. (それじゃその時に)
などと言ってはならないのは当然である。その場合には、
l won't be attending the meeting. So, I'll see you next week.
(その会議には私は出ませんので、来週また)
のように状況に応じた応答が必要となる。
すぐに会うことはない人へのさよなら
人生にはたまたま出会った人との別れなどという場面もけっこう多いものである。こうした状況でのさよならは、
See you again.
がふつうである。これを文字通りに訳すと「また会いましょう」であるが、それよりも不確定の要素がやや強いと思われる。また、ていねいな言い方としては、
l hope to see you again.
l hope I'll see you again・
といった表現もある。 ・。¶
相手がこのような言い方でさよならを告げている時にただGood-bye.と言っただけではcommunication breakdownである。日本語で言えば「私も同感です」という感じで、次のような反応が考えられる。
Me, too.
So do l.
l hope so, too.
I’d like that very much. ◇
この中で、Me, too.はひじょうにくだけた言い方であるから相手を見て使ったほうがよい。So do l.やI hope so. はいずれも立派な表現であるが、I’d like that very much. はなかなかに気持ちのこもった表現である。
See you again. とSee you soon. を混同している人がときどきいるので注意したい。前者のagainは「いつかわからないけどまた」であり、日本語の「それじゃまた」とは異なるのである。後者は「近いうちに会いましよう」という感じで、おそらくはお互いに会うことになっているような状況で使うものである。
初対面の人とのさよなら
この状況でもっともよくある混乱は、seeとmeetの用法に関するものである。初対面の人とさよならのあいさつをする時に、It was nice seeing you.と言ったり、友人と別れる時にNice meeting you. などと言ったりするのがそれである。
初対面の人とのさよならではmeetを使わなければならない。「会って嬉しかった」という気持ちをこめた表現としては次のようなものがある。
It was nice meeting you.
Nice meeting you.
It was so nice to have met you.
So nice to have met you.
ltがあるとややていねいと理解しておけばよい。このような「さよなら」に対する応じ方は、「私も」という気持ちをこめて、相手の言ったことをそのままくり返してtooをつけ加えればよい。例えば、
A: Nice meeting you.
(A:お会いできてよかったです)
B: Nice meeting you, too.
(B:私も同じ気持ちです)
のように展開すればよい。
注意すべきはmeetとseeを混同しないこと。初対面の人との別れにはmeetを使うと覚えておけばよい。考えてみると、初めて会った人とのあいさつには、I'm gladto meet you. と言うではないか。きちんと首尾一貫しているのである。これに対して、seeはすでに知っている人と会う場合に使われるのである。何年ぶりかで会った人に、It's good to see you ! (懐しいねー)などと言うのも、知っている人だからseeが使われるわけである。