2014-06-26から1日間の記事一覧

小林製薬の経営方針はニッチ市場の創出&席巻

小林製薬では、「ブルーレッドおくだけ」や「サワデー」などのトイレタリー製品をはじめとする家庭用品が主力事業として売上高の80%を、OTC事業が残りの20%を占めている。同社の09年度の売上高は1292億円、営業利益は171億円で、OTC業界でも高収…

小林製薬の「さん付け呼称制度」の目的とは

小林製薬には、市場に「小さく入って、大きく育てる」という方針がある。以下では、この方針を次の2つに分け、それぞれのフェーズでの成功のカギを探っていく。 ①小さく入る(潜在市場を発見するフェーズ) ②大きく育てる(製品投入後、市場拡大をはかるフ…

久光製薬のスイッチOTC戦略

昨今のスイッチOTC市場は、政府が推し進める医療費抑制政策のもと、非常に重要性が増しているからである。スイッチOTC市場は、伸び悩んでいたOTC市場を再拡大させる契機となっている。今後も、国のバックアップを背景にスイッチOTCは、OTC市…

大正製薬:「ジクロテクト」と「ストパン」の製造元が異なる理由

大正製薬の売上高は2584億円、営業利益は347億円、従業員数は5569人であり、国内OTCメーカーのなかでは売上高トップを誇る企業である。同社のOTC戦略である既存高認知製品活用戦略の特徴、ならびに同戦略が近年限界を露呈している。大正製薬はどの…

医薬品産業の特性は何か

医薬品産業の特性は、まさに医薬品産業が生命にかかわる産業であることに由来する。たとえば、電機や半導体、自動車などの一般的な産業では、どんなにすばらしい製品を作っても、その価値が消費者に認められ、需要に結びつかなければ、決して売上を生むこと…

バイオ医薬という破壊的イノベーションの特徴

破壊的イノベーションは、その性質によって「新市場型破壊」と「ローエンド型破壊」の2種類に分けられる。この分類に従えば、バイオ医薬という破壊的イノベーションは、まさに新市場型破壊に該当する。まずは、新市場型破壊の2つの特徴を見てみよう。 ①本…

オランダの積極的安楽死法:自殺幇助の28条件

現在、積極的安楽死を法的に保障している国や地域はない。だが各国ではその動きも起こっている。 アメリカのカリフォルニア州では、一九七六年(昭和五十一年)に制定された自然死法からさらに一歩進んだ安楽死法が住民投票にかけられた。一九九二年(平成四…

日本尊厳死協会の会員がもっているカード(宣言書)

日本尊厳死協会は、こうして「人間性の尊厳を維持して死ぬ権利」を強調することを骨子としたが、では、ここでいう「尊厳」とはどのような内容を意味しているのだろうか。 正直なところ、日本の尊厳死運動は、「健やかに生きる権利、安らかに死ぬ権利を自分自…

人工延命装置の本来の目的とは:「御仏前治療」を狙う悪徳病院

実際に尊厳死運動にとりくんできた人たちの意見を分析していくと、その内容は、尊厳死とは、末期患者の延命医療をどうするか、具体的には人工呼吸器などの人工延命装置を外すか否か、延命治療をどの段階でとどめるべきか、といった技術的な段階の論議に終始…

バイオエシックス運動(生命倫理運動)の意義とは

アメリカの人権運動はむろん医療の中にももちこまれた。それが医療の質を求めるという運動だったが、具体的には、医師が患者に対して何の説明もしないで医師だけの判断によって医療を進めるという、いわば医師主導の医療に対する批判という意味合いをもった…

肥満の原因は「エネルギー節約遺伝子」なのか

子が親に似るのは、ゲノムの半分ずつを父親と母親からもらって誕生するからだ。だから、両親の形質を受け継ぐことは至極当然のことだ。そうならば、顔かたちのみならず、親のさまざまな特徴が子に遺伝されるだろう。そのうち今最もホットな話題は太りやすい…

肥満の原因:β3-アドレナリン受容体やUCPの遺伝子変異

今の社会でいくら肥満者が増えているとはいえ、道を歩いている人のほとんどは肥満ではない。アメリカジンのうち三分の一が肥満であるとしても、残り三分の二は肥満ではないことになる。このような個人差はどうして生じるのだろうか。 一九九四年、アメリカの…

お酒に弱い人ではfin遺伝子が欠損している

お酒に強い・弱いは分解能力の差だけではなかった 「お酒に弱い」体質は、遺伝子の支配が強く、訓練や努力ではいかんともしがたい。なぜなら、今ではよく知られた「お酒に弱い遺伝子」は、アルコールを分解する酵素をつくる遺伝子が変異したものだからだ。酵…

尋常性湿疹の症状、組織所見、発症機序、治療法

湿疹の大部分がこれに属し、臨床形態の明らかに特徴的な内因性湿疹・脂漏性湿疹・ビダール苔癬を除外、さらに接触性機序の明らかな接触皮膚炎を除外した、残り両すべてがこの尋常性湿疹(eczema vulgare〔Halter 1941〕、 ordinary eczema)である。この中の急…

アトピー性皮膚炎について:白色皮膚描記症、アセチルコリン遅発蒼白反応

〔同義語〕 内因性湿疹endogenous eczema、 Asthma-Ekzem〔J adassohn 1903]、ベニエ痒疹prurigo diathesique 〔Besnier 1892] 、 frtih- bzw。 spateχsudatives Ekzematoid〔Rost 1892〕、 eczema flexurarum〔Kaposi〕、 neurodermitis disseminata、 kons…

じんま疹urticaria:人工、寒冷、温熱、日光、心因性、コリン性、および接触蕁麻疹などについて

〔定義〕一過性〔通常1~数時間〕に経過する、痰痒を伴った限局性の皮膚浮腫。 〔症状〕突然、境界明瞭な円形~楕円形~地図状のわずかに隆起した膨疹を生じ、痰痒が激しい。その臨床症状により紅色(urt。 rubra)、白色(urt。alba s。 porcellanea)、水疱…

「天寿を全うする」意味

高齢化社会となれば、老人患者にはこれまで長く社会的な生活を営んできた結果がある。政治家にも企業経営者にも学者にも、それぞれの生活環境からくる複雑な人間関係が生まれている。だから、たとえその本人が望んだとしても、そう簡単には結論のだせないこ…

性同一性障害の原因は遺伝子にあるという研究報告

同性愛嗜好がホルモンバランスの乱れによるものという説が有力ななか、遺伝子こそが恋愛対象を決めるかも知れないという報告が日本でなされた。問題の遺伝子はショウジョウバエのゲノムから見つかった。 科学技術振興事業団・創造科学技術推進事業の山元大輔…

抗菌グッズが人類を滅ぼす

細菌が耐性を獲得する方法には形質転換という方法がある。土壌にすむ細菌の枯草菌はこの方法を採用している。形質転換とは細菌細胞が破裂して周りに放出されたNAをとりこむ方法をいい、いわば死んだ仲間のDNAを拾って利用するやり方だ。耐性遺伝子をも…

遺伝子組換え作物でバイオ企業が儲かる仕組み

遺伝子組換えを行った植物が最初に市場に登場したのはアメリカで、「フレーバーセーバー」という商品名がつけられたトマトだった。ふつうのトマトは赤く熟すとその後すぐにやわらかくつぶれてしまう。未熟なトマトが固いのはペクチンという糖質がしっかり結…

看護教育目標の分類:認知領域、情報領域、精神運動領域

ブルームらは、「教えるということは、達成されるべき最終モデルを頭のなかに描きながら、ある時期にはある段階へと集中する」ことを前提として、「複雑な最終的成果を、個別的にある順序をもって達成していかなければならない構成要素の形に分析すること]を教…

統合失調病の遺伝説

研究成果が集積されるにつれて妥当性を失った学説もあるし、新たに注目されるようになった学説もあります。 統合失調症は異種だといわれますが、それは異なった病態と病因をもつものが集まっているという意味です。すなわち、統合失調症は二つ以上の個別のグ…

統合失調症の病因:ドパミンや他の神経伝達物質

統合失調症の病因についての神経化学的学説は、二〇世紀前半から唱えられ、広範な研究がなされてきました。最近の二〇年間ではドパミンという神経伝達物質が最も注目されています。この物質は、カテコールアミン類に分類される脳の化学物質で、神経細胞間の…

悪い家族が精神病を引き起こす?

第二次世界大戦後、母親の悪い養育が統合失調症の原因であるという学説は、家族全体が問題であるという方向へと拡大していきました。家族の相互作用によって統合失調症が発生すると提唱したのは、そのほとんどが、フロイト理論を学んだ精神分析学者でした。 …

抗精神病薬には習慣性がありますか?

抗精神病薬を乱用しても「気分が「イになる」ことはまずありません。抗精神病薬は病気でない人が飲んでも高揚感や多幸感がくることはありません。これらを売りさばこうとしたその筋に通じた患者を受けもっかことがありますが、私は彼らにいつも次のように言…

統合失調症患者の住まい

統合失調症患者の住まいは、その管理の程度がさまざまな施設、独立住居、自宅があります。専門家が管理する住居 このタイプの住居は、専門的に訓練を受けた職員によって、ほぽ、あるいは完全に二四時間管理されています。それには緊急施設、ハーフウェイハウ…

統合失調症への正しい対応のしかたは?

統合失調症を取り巻くさまざまな困難をのり越えていくにあたって、本人や家族が、正しい対応のしかたを知ることはきわめて重要なことです。統合失調症にひそむ双子の怪物、「非難」と「恥」とが解決されたときに、正しい対応は自然に生まれてきます。この双…

精神病という事実を受容できない患者と家族

患者とその家族にとって、正しい対応のしかたを身につけるうえで、これが二番目に重要な要素です。受容することは、あきらめることではありません。受容とは、病気がどこかに消えてなくなることはない、患者の能力は多少の制約を受ける、病気は現実のものな…

家族は、どうしたら統合失調症と共に生きていけるでしょうか

家族は、数多くの問題に直面します。とくに母親は、多くの場合患者のケースマネージャー、精神科医、看護婦、大家、調理人、用務員、財産管理人、教育係、そして良き友人と、何役もこなさなければなりません。一九六〇年代以前は、ほとんどの統合失調症者は…

統合失調症者は車を運転してもよいのでしょうか

統合失調症者が車を運転していいかどうかについては、本人や家族、そして保険会社にとって大切な問題であるにもかかわらず、これまでほとんど論じられませんでした。この問題についての一九八九年の研究では、精神科疾患のない人の九九パーセントが運転をし…