ウオノメ・タコは切らないで完全に取れる

●角質層が厚くなって痛いウオノメ

 ウオノメは足の裏や足指の側面・間などにできやすく、角質が増殖したものです。その中心部には硬い角質のくさび状のものがあって、芯のように硬くなっていますから、押さえると痛みを感じ、ひどくなると歩行困難に陥ります。周囲の皮膚がそのくさび状の核を囲んで魚の目のようになっているので、ウオノメ(魚の目)と呼ばれています。

 これは同じ部位に摩擦や圧迫の刺激が加わることにより、一種の防御反応として起こるものです。つまり、私たちのからだは、受けた刺激を少しでもやわらげようとして本能的に反応し、そのために硬くなってしまうのです。とくに皮下脂肪が少なくてすぐ下に硬い骨がある場所に刺激を受けると、角質層が厚くなってウオノメになります。

 ウオノメは上に盛り上がっているだけでなく、皮膚の内部にまで深く掘り下げて厚くなっていますから、見た目よりは実体が大きく、根こそぎ取ってしまわなければなりません。レーザーなら、それでも出血を見ずに治療できます。

 タコもまた、ウオノメと同じ原因で皮膚のある特定部位の角質が厚くなったり増殖したりするために起こります。やはり角質が皮膚にくさび状に杭を打ち込んだようになっており、ペンダコ、坐りダコ、靴ずれダコなど限られた部位が肥厚しています。ウオノメも夕コも本質的には同じものです。ただし、ウオノメと違ってタコは内部に潜っていきませんから、ほとんど痛みはありません。

 ウオノメもタコも、どんなに治療しても同じ刺激を反復すれば、またいずれ再発します。刺激をできるだけ避けるように工夫することが、再発防止のカギです。


●レーザー治療なら、靴を履いて帰れる

 ウオノメやタコを自分で削っている人が多いそうです。何回も削るのを繰り返すと、なかなか治りにくくなるばかりか、まれには悪性黒色腫が起こることもありますから、荒療治はしないほうがよいでしょう。

 従来的なウオノメータコの治療法は、硬くなっている患部を(サミやメスで切り取って角質層を薄くする方法が採られていました。現在でも病院の皮膚科ではほとんどこの方法で治療しています。メスで切開して底まで取りますと、出血したり数日は靴を履けなくなることもあります。その点、レーザーなら、絆創膏を貼っただけで靴が履けますし、ふつうに歩いて帰れますから心配いりません。

 知人のクリニックでは、炭酸ガスレーザーを10ワットの連続発振で治療しています。ウオノメは深いところにあり、かなり硬いので、一五ワットにアップすることもたびたびです。この治療の場合、煙が出ますので、煙を吸い取りながらしないと、治療室が煙で臭くなってしまうほどです。ウオノメは底まで取らないと再発するので、根こそぎ取るようにしています。