2014-06-26から1日間の記事一覧

総合病院における癌患者と精神科医の関わり

最近まで、主に癌は早期発見、早期治療に目が向けられ、末期癌患者の身体的および精神的苦痛についての対策はなおざりにされてきた。一方、末期癌患者を苦しめる痛みについては、モルヒネなどを用いた世界保健機関(WHO)のガイドラインも発表され、着々…

無菌室の中の患者たち

無菌室に入る前にはさまざまな準備が必要である。例えば剃毛-いずれ強力な前処置ですべての毛髪は抜け落ちてしまうが、あらかじめ頭髪は丸坊主にしてしまうし、陰毛をはじめとする体毛も剃らなければならない。これは、毛髪には細菌が付きやすく不潔である…

criticalと英訳しがたい発想

斬れる英語というのが私のトレード・マークになってしまった。るようになった。『五輪書』の「火の巻」は何度読み返しても、身震いがする。 この箇所のキー・ワードを拾ってみると、生死二つ、命勝つ(敵を打果す)道となる。 命を賭けること。これが勝つた…

小学生に英語はムダか

英語力を問うTOEFLの日本の成績はアジアのなかでとても低い。これだけカタカナ英語が巷で氾濫しているのになぜか。当然である。英語がなければ国際的に生存できないというcritical mind (危機意識)がないからである。英語を単なる言語、そしてコミュ…

耳から入った英語を第一に優先

I'm on my way. (今、行く)。耳から入る英語は、アイマンマイウェイである。リエゾンと共に覚える。耳から入った英語を第1に優先し、耳から入る英語を次に優先する。教科書の英語は使用に耐えうるかどうかが未証明だから警戒する。だが、よく耳にするアイ…

野心的なプロジェクトには力のあるネイティヴの翻訳家が欠かせない

『源氏物語』を翻訳したサイデンステッカーという、へんこつだが極めて優秀な翻訳家がおられる。 私が『日米口語辞典』で、生まれて初めての辞書編纂に加わった時、編集者たちと、読める辞書にしてみせるという意地と「こだわり」を貫くためには、一流の外国…

先手をとられたらどう英語で返すか

く三つの先、一つは我方より敵へかゝるせん、けんの先といふ也。亦一つは敵より我方へかゝる時の先、是はたいの先といふ也。又一つは我もかゝり、敵もかゝりあふ時の先、躰々の先といふ。是三つの先也。いづれの戦初めにも、此三つの先より外はなし。〉 11…

英語による攻撃的な質問への対処

海外を独りで旅行をしていると、いろいろな外国人に取り囲まれる。ある日、5、6人のフランス人旅行者に囲まれ、「日本人はなぜ自殺をするのか」と問われた。あまり嬉しくない質問だが、こういう攻撃的な質問は西洋人が得意とするところだ。 その時、私はとっ…

外国人との英語交渉

日本IBMの英語ディベート交渉講座を担当していた時のことである。講座の目的はアメリカ人と対等にディベートができる人材の育成であったが、IBMのお抱え弁護士と模範試合をやってくれないか、との誘いを受けた時だけは、相手がプロだけに面喰った。 そ…

英訳の方がわかりやすい文章

武蔵は、その作戦を「枕をおさえる」と呼ぶ。 〈枕をおさゆるとは、かしらをあげさせずといふ心也。〉 兵法、勝負の道では敵に引き回されるよりも、思いのまま敵を引き回せということである。敵の頭を上げさせない、とはうまくいったものである。 敵の枕さえ…

ラビ・バトラ教授のインド訛りの英語

武蔵は相手の太刀を見ない。プロの武道家も相手の手足を見ない。相手の隕を見て、私か次にかけてくる相手の技が見抜けるようになったのは、柔道3段になってからのことだ。 英語でも同じである。相手の表情を見ながら、次の手を打つ。 武蔵は、けいきを知れ…

ハーバードで学んだ交渉術

斬れる英語と斬れる内容(actionable intelligence)の両方をモノにしようとすれば、オフレコの会話に通訳(忍者)として呼ばれることだ。そのためには身を隠し、名前が世間に知られないようにした方がよい。だから実は、こんなことを筆にするのも矛盾している…

ネイティヴとenvyとjealousyの相違

私は、よく海外へ独りで修行しに行くことがあるが、狙った相手に話しかける時は、まず場を考察し、次に先手を打つための英語表現に気を配る。 とくに若いカップルに近づく時は、いくら相手からの会釈を受けたあとでも、構えがいる。 You're a good-looking …

武器として英語は武り火

宮本武蔵のシンボルは闘いである。戦は、武蔵にとり火である。彼の哲学は勝つことである。人に勝つには、自分に克たねばならない。英語のwin (勝つ)には、「勝ち取る」「獲得する」が含まれるのである。 win points (点を取る)、win friends (友を作る)…

why で先手をとれ

初心者がまず先手をとる方法は、whyで迫ることだ。外国人と昼食でテーブルを囲む時などは決して慌てず、少しでも相手が意見を述べれば、ナイフとフォークを使いながらwhyと攻め、相手がbecauseと答えている間に、食べ物を口に運ぶことだ。次に、敵がwhyと…

ネイティブ並みの英語力をもつ帰国子女の悩み

あるアメリカ人が英語でインタビューをした。 “Why do you want to learn English?” マタはこう答えた。 “Well, because l just love to.” ヨシは、「しかたがないから」という意味で、゛Tm obliged to.” という受験英語を使った。 “You mean because yo…

“英語学習ブーム”に異議あり

ピーターは英語、ドイツ、フランス語、韓国語、中国語、日本語にいたるまで12ヶ国語を操るという語学の天才である。彼が「日本の“英語学習ブーム”に異議あり」という題で講演をするというので、英語教育に関心のある人たちが挙って押し寄せた。 「僕の書いた…

英語で考えよう:日本語を直訳して話すと文法的なミスを犯す

マタとヨシは官本をストーカーのごとく追った。(本物英語を学ぶとは、本物の人間に近づき技を盗むことだ。)タク先生の言葉が耳のなかでこだました。 有楽町の外国人記者クラブで開かれる捕鯨ディベートに、宮本速蔵がプロ・ディベーターとして招かれている…

環境保護団体と戦ったコーディネーターの英語力

マタは、ヨシが和英辞典で暗記したon the spur of the momentという、かっこいい表現を耳にして、さすが筆記試験に強いだけのことはあると素直に評価した。 しかしl was thinking in English at that time. は、大学のESSで流行っている日本語英語だ。もっと…

ヨーグルト長寿説

細胞の食作用を発見し、白血球が病原菌などの異物を食べることで体を防御しているとする「食細胞作用説」を唱えたのはロシア生まれの生物学者メチニコフでした。今日でいうマクロファージの働きを指摘したこの学説により、1908年にノーベル賞を受賞したメチ…

豚肉を毎日食べても癌が少ない沖縄県の不思議

国内の長寿地域や長寿村に目を向けると、都道府県単位の平均寿命で最も長寿なのは沖縄県です。 日本人の平均寿命は男76・3歳、女82・5歳ですが、厚生省が5年ごとに出している都道府県別生命表によると、沖縄県は男76・7歳(全国5位)、女84・5歳(全国…

長寿村のお年寄りの腸内にはビフィズス菌がいっぱい

光岡知足東京大学名誉教授と理化学研究所のグループは、この棡原村の高齢者を一軒一軒訪ねて17名の検使のサンプルを集め、腸内菌叢を調べました。お年寄りたちは92歳のおばあちゃんを筆頭に平均年齢82歳で、どの家でも里いも七こんにゃくのみそ煮をお茶受け…

ガンを防ぐための12カ条

ガン研究者がすすめる12ヵ条のうち8ヵ条が食生活に関するものです。 ①バランスのとれた栄養をとる②毎日、変化のある食生活を(同じ食品を繰り返し食べない)③食べすぎを避け、脂肪は控えめに④お酒はほどほどに⑤タバコをやめる⑥食べ物から適量のビタミンと繊維…

食品添加物がなくなってもガンはなくならない

私たちの口に入る食品添加物の数は1日50~70種類に上るといわれ、そのなかにはOPP(防カビ剤)やサッカリン(人工甘味料)など、弱いながら動物実験で発ガン性の認められたものも含まれています。その食品添加物が12力条に入っていないのはどうしてなの…

「だ」「のだ」の用法について

助動詞「だ」は、ちょうど論理学で言う、コプラの役をする語である。森有正がその使い方をとらえて、「日本語には文法がない」と言って、話題になったことがあった。 森によると、「だ」は、フランス語の動詞とちがい、主語の人称によって変化せず、逆に主語…

指示代名詞:コソアド体系 

日本語の指示代名詞は次のような、三段組織になっていることが英語などとちがうところで、「あれ」「あそこ」「あちら」のあとにドレードコードチラを加え、佐久間鼎以来コソアド体系と呼ばれて来た。 コレ、ソレ、アレ ココ、ソコ、アソコ コチラ、ソチラ、…

境遇性をもつ語彙:「来る」「行く」は英語のcomeとgoに一致しない

代名詞や指示語の類いは、話し手が誰であるかによって、さされるものがちがう。B・ラッセルは、こういう語彙は、自己中心的特殊語であって、物理学や心理学の方では用いられない単語だと言った(『思想の科学』昭24・I)。三上章は、このような語を総称し…

外国語にみられる名詞の人称変化

金田一京助著『ユーカラの研究』の中には、著者がアイヌ集落を訪ねた時の話が具体的に書いてあるが、アイヌ人に「目はアイヌ語で何と言うか」と尋ねると、アイヌ人はすぐには答えず、「旦那の聞いているのは、おれの目か、旦那の目か、ほかの人の目か?」と…

敬語は日本語だけの特色ではない

日本語の特色という場合に、最も多くの人が話題にすることに敬語の問題がある。敬語というのは、話題に出てくる人に対する敬意、あるいは、話の相手に対する敬意を表わす言葉である。敬語は日本語だけにしかないと思っている人もあるかもしれないが、地球上…

命令文の表現と敬語

動詞の敬語では最も一般的なものに命令文の表現がある。 つまり、相手に何か頼む、命令する場合に、たとえば、「教えろ」という段階では全然敬意を持っていないが、「教えてくれ」「教えてくれないか」「教えて下さい」と言うと、だんだん敬意を表わしてくる…